革・皮革の種類と選び方完全ガイド|販売先・購入方法・経年変化まで徹底解説

「革(皮革)ってどこで買えるの?」「種類が多くて何を選べばいいかわからない」——そんな疑問を持つ方は多いはず。本記事では、革・皮革の種類と特徴から選び方、おすすめの購入先まで徹底解説します。レザークラフト初心者から本格的な革製品づくりを目指す方まで、必要な情報をすべてまとめました。

目次


そもそも「皮」と「革」の違いとは?

まず押さえておきたいのが「皮(かわ)」と「革(かわ)」の違いです。読み方は同じですが、意味はまったく異なります。

用語 状態 特徴
皮(かわ) 生の状態 そのままでは腐敗してしまう
革(かわ) なめし加工済み 腐敗しない・加工に耐えられる素材

「鞣し(なめし)」と呼ばれる化学的処理を施すことで、「皮」は腐敗しない「革」へと変わります。この鞣しの方法の違いが、革の質感・耐久性・エイジング(経年変化)のしやすさに大きく影響します。


鞣し(なめし)の種類と特徴

革の品質を決める最重要工程が「鞣し」です。大きく分けて以下の3種類があります。

① タンニン鞣し(植物タンニン鞣し)

植物の樹皮などから抽出したタンニン(渋)を使って鞣す、古くからある伝統的な製法です。完成まで数か月かかることもあり、手間とコストがかかる分、革本来の風合いと経年変化(エイジング)を最大限に楽しめるのが最大の特徴。ヌメ革はこの鞣し方で作られます。

  • ✅ ハリとコシがある質感
  • ✅ 使い込むほどに味わい深いエイジングを楽しめる
  • ✅ メンテ次第で一生モノになる
  • ❌ 水に弱い・価格が高め

② クロム鞣し

化学物質の硫酸クロムを使って鞣す方法で、現在市場に出回っている革製品の約8割がこの製法とも言われています。軽くて柔らかく、耐水性も高いため、普段使いのアイテムに多く採用されます。ただし、タンニン鞣しほどのダイナミックな経年変化は起きにくい素材です。

  • ✅ 軽くてしなやか・耐水性に優れる
  • ✅ 比較的安価で大量生産に向く
  • ❌ 劇的な経年変化は期待しにくい

③ コンビネーション鞣し(混合鞣し)

タンニン鞣しとクロム鞣しを組み合わせた製法で、それぞれの長所を活かした革に仕上がります。コスト面ではタンニン鞣しより抑えられるため、コストパフォーマンスに優れた革として人気が高まっています。


動物別・革の種類と特徴

革素材は使われる動物の種類によって、質感・強度・用途が大きく異なります。代表的な革の種類を動物別に解説します。

🐄 牛革(カウレザー)

革製品の中で最も流通量が多く、財布・バッグ・靴・家具など幅広いアイテムに使われています。牛の年齢や性別によって名称や特性が大きく異なります。

名称 対象 特徴
カーフスキン 生後6か月以内の仔牛 最高級品。きめ細かく柔らかで、高級ブランドに多用
キップスキン 生後6か月〜2年の中牛 カーフに次ぐ上質さ。強度と美しさのバランスが良い
ステアハイド 去勢された成牛(雄) 最も流通量が多い。丈夫で扱いやすく、汎用性が高い
カウハイド 出産経験のある成牛(雌) 柔らかめで大判。靴・バッグ・ジャケットに
ブルハイド 去勢していない成牛(雄) 最も厚く丈夫。ワークブーツ・工業用途に

以下は牛革(ヌメ革)の実際の質感・素材感の参考画像です。

タンニン鞣しイタリアンレザーの質感(KAWAMURA LEATHER(カワムラレザー)(kawamuraleather.com)より引用)

🐴 馬革(ホースレザー)

牛革に比べて繊維組織が粗く薄いため、柔軟性が高く衣料製品に多く使われます。中でもコードバンは馬のお尻部分から取れる希少な革で、「革のダイヤモンド」とも称される最高級素材です。空気も水も通さないほど繊維が緻密で、美しい光沢が特徴。財布・ランドセル・靴などに使用されます。

🐖 豚革(ピッグスキン)

日本で唯一、飼育から皮革製品まで国内一貫生産できる革素材です。薄くて軽く、摩耗に強いのが特徴。革の表面に三つ並んだ毛穴が全層を貫通しており、優れた通気性をもたらします。靴の中敷や財布の内張りとしても人気の素材です。

🐐 山羊革(ゴートスキン)

独特の細かなシボ(表面のしわ)が特徴的な革です。薄いながら強度に優れ、緻密な繊維を持ちます。柔らかいが型くずれしにくいため、靴・バッグ・衣料・手袋などに幅広く使用されます。

🐑 羊革(シープスキン)

薄くて非常に柔らかく、独特のしっとりとした肌触りが魅力。ただし繊維が粗いため強度は低め。高級手袋や帽子、コート(ムートン)などに使われます。子羊(ラム)の革はさらに柔らかく、高級感があります。


仕上げ加工による革の種類

革の表情は、なめし方だけでなく仕上げ加工によっても大きく変わります。代表的な仕上げ加工の種類を紹介します。

ヌメ革(素上げ革)

表面加工や型押しなどを施さない、植物タンニン鞣しのままの革。水に弱く取り扱いに注意が必要ですが、経年変化が著しく、革本来の風合いを最も楽しめる革です。生成り(ナチュラル)の肌色から使い込むほどに深みのある飴色へと変化していきます。

オイルレザー

鞣しの工程中にオイルをたっぷり含ませた革。油分が多いためノーメンテナンスでもエイジングしやすく、傷ができても揉み込むだけで目立たなくなる扱いやすさが魅力です。

スエード

革の裏面(床面)を起毛加工した革。柔らかくマットな質感が特徴です。カーフやシープを使ったものは「シルキースエード」と呼ばれ、高級素材として扱われます。

ガラス張り革

表面に合成樹脂を塗布してガラスのような光沢を出した革。防水性が高く表面が均一で美しい一方、通気性は低め。いわゆる「エナメル」の近い系統です。

シュリンクレザー

薬品を加えて銀面を収縮させ、独特のシボ(凹凸)を作り出した革。傷が目立ちにくく、カジュアルなバッグや財布に人気です。

代表的な革の仕上げ加工の種類比較(SOT(ソット)オンラインストア(sot-web.com)より引用)

革の経年変化(エイジング)について

本革の最大の魅力のひとつが「エイジング(経年変化)」です。使い込むほどに色・艶・形が変化し、世界にひとつだけの表情を持つ革へと育っていきます。

エイジングが起こる仕組み

タンニン鞣しの革(特にヌメ革)では、革に含まれるタンニン成分が紫外線によって酸化し、色が濃くなります。また、手の皮脂や摩擦もエイジングを促進。これらが組み合わさって、独特の光沢(艶)と風合いが生まれます。

エイジングの変化は大きく3つに分けられます。

  • 色の変化:生成り(ナチュラル)から飴色・ブラウンへ深みが増す
  • 艶の変化:摩擦により表面の凹凸が均一化され、美しい光沢が生まれる
  • 形の変化:繊維が圧縮・柔化し、使い手の手に馴染んだ形に

エイジングのビフォーアフター(参考画像)

実際にヌメ革財布を使い込んだお客様のエイジング例です。ナチュラルな生成りから深みのある飴色へと変化していく様子がわかります。

ヌメ革財布の経年変化の例(革財布のお店 mic【吉祥寺店】(mic1978.com)より引用)

下記はハレルヤによる、革鞄・革財布を使用して1日目〜730日目(2年)にわたるエイジング変化記録です。同じ革でも革の種類によって変化の仕方が大きく異なります。

革の種類別・エイジングの変化比較(Hallelujah(ハレルヤ)(hallelujah.jp)より引用)

きれいにエイジングさせるコツ

  • 購入後すぐに日光浴:窓際に10日〜1か月、均一に日焼けさせると汚れ・水シミが付きにくくなる
  • 毎日使う:手の脂がほどよく染み渡り、乾燥防止にもなる
  • 定期的なオイルメンテナンス:乾燥したままにするとひび割れの原因に。革用クリームで保湿を
  • 雨・汗に注意:水シミや変色の原因になる。使用後は乾いた布で拭く

💡 メンテナンスについてもっと詳しく知りたい方へ
革製品のお手入れに必要なアイテムをまとめた早見表も参考にどうぞ。