革用語辞典|なめし・革の種類・仕上げ・お手入れ用語をまとめて検索【革図鑑】

革の世界には「アニリン」「ヌバック」「ブルーム」「コバ」など、知らないと戸惑う専門用語がたくさんあります。この革用語辞典は、なめし・動物別の革・仕上げ・部位・経年変化・クラフト・お手入れまで、革にまつわる用語を1ページで引けるようにまとめた辞書です。上部の検索ボックスにキーワードを入れるか、カテゴリーで絞り込んで、知りたい言葉をすぐに見つけられます。革製品を選ぶとき・育てるとき・作るときの、手元の辞典としてご活用ください。用語は今後も追加していきます。

目次

革用語辞典(検索・絞り込み)

なめし(製革)
タンニンなめし
植物の渋(タンニン)でなめす伝統的な方法。硬くしっかりした風合いで、経年変化(飴色化)を楽しめる。ヌメ革やサドルレザーが代表。
クロムなめし
塩基性硫酸クロムでなめす現代の主流。やわらかく、軽く、発色がよい。水・熱に比較的強く、量産に向く。
コンビなめし
クロムなめしの後にタンニンを入れるなど、2種類を組み合わせる方法。両者の長所をあわせ持つ。
白なめし(しろなめし)
塩と菜種油を使う日本の伝統技法。姫路が産地として有名で、白く柔らかい革に仕上がる。
ベジタブルタンニンなめし
タンニンなめしの別称。植物由来でなめすことから「ベジタブル」と呼ばれる。
原皮(げんぴ)
なめす前の動物の皮。これを処理して腐らない「革」にする。塩漬けや乾燥で保存される。
ピットなめし
槽(ピット)に革を漬け、時間をかけてタンニンを浸透させる伝統製法。手間はかかるが締まった上質な革になる。
ドラムなめし
回転するドラムでなめし剤を浸透させる現代的な方法。短時間で均一になめせる。
油なめし(あぶらなめし)
魚油などの油脂でなめす方法。柔らかく水洗いできるセーム革が代表。
アルデヒドなめし
アルデヒド系薬剤でなめす方法。金属を使わずソフトで、洗える製品などに使われる。
革の種類(動物別)
牛革(ぎゅうかわ)
もっとも流通量が多い革。年齢・性別でカーフ/キップ/ステア/カウ/ブルに分かれ、銀面のきめや厚みが異なる。
カーフ
生後6か月以内の子牛の革。きめが細かく薄く滑らか。高級革靴や財布に使われる最上級の牛革。
キップ
生後6か月〜2年ほどの中牛の革。カーフに次ぐきめ細かさと、ほどよい厚み・強度を持つ。
ステア
生後2年以上の去勢された雄牛の革。厚みと強度があり安定供給。一般的な革製品に広く使われる。
コードバン
馬の臀部(しり)にある繊維層から採れる希少な革。きめ細かく硬質な艶があり「革のダイヤモンド」と呼ばれる。
ホースハイド
馬革全般。コードバン以外の部位はしなやかで軽く、ジャケットなどに使われる。
ピッグスキン
豚革。3つ並んだ毛穴が特徴。軽くて通気性がよく、衣料の裏地やスエードに使われる国産の主要革。
ゴートレザー
山羊革。薄く丈夫で、独特の凹凸(シボ)がある。手袋や財布に人気。
シープスキン
羊革。非常に柔らかく軽い。ラムは子羊の革でさらにきめ細かい。衣料・手袋向き。
エキゾチックレザー
クロコダイル・リザード(トカゲ)・パイソン(ヘビ)・オーストリッチ(ダチョウ)など希少動物の革の総称。独特の柄が高級品として珍重される。
カウ(雌牛)
出産経験のある雌牛の革。ステアよりやや薄くきめが整い、しなやか。
ブル(雄牛)
去勢していない雄牛の革。繊維が粗く厚くて丈夫。ワイルドな表情。
ディアスキン(鹿革)
鹿の革。非常に柔らかく軽く水に強い。手袋や衣料に使われ、日本では「印伝」にも。
ブッファロー(水牛)
水牛の革。大きく力強いシボが特徴で丈夫。バッグや財布に使われる。
カンガルーレザー
薄くても非常に強靭な革。スポーツスパイクや高級グローブに使われる。
クロコダイル
ワニ革。腹の四角い斑(竹斑)が美しく、最高級のエキゾチックレザー。
オーストリッチ
ダチョウの革。羽根の跡の突起「クイルマーク」が特徴。軽く丈夫。
仕上げ・表面の種類
ヌメ革(ぬめがわ)
タンニンなめしのままで表面加工をほとんどしない牛革。経年変化が大きく、使うほど飴色に育つ。傷や水に弱くデリケート。
アニリン仕上げ
革本来の銀面を活かし、透明な染料で薄く仕上げる方法。風合い豊かだが水・傷に弱い。
セミアニリン仕上げ
アニリン仕上げにごく薄い顔料を加え、風合いと耐久性を両立させた仕上げ。
顔料仕上げ(がんりょうしあげ)
顔料の塗膜で表面を覆う仕上げ。色ムラが少なく水・汚れに強い。普段使いの製品に多い。
ガラスレザー
ガラス板やホーローに革を貼って乾燥させ、表面を塗装した革。鏡のような光沢とお手入れの手軽さが特徴。
型押し(かたおし)
熱と圧力で銀面に模様をつける加工。クロコ風(型押しクロコ)やシボ模様など。
スエード
革の裏面(床面)を起毛させた革。やわらかな毛足が特徴。クリーム不可、ブラシとスプレーでケアする。
ヌバック
革の表面(銀面)を細かく起毛させた革。スエードより目が詰まり上品。水ジミに注意。
ベロア
比較的厚い革の裏面を起毛させたもの。スエードより毛足が長め。
オイルレザー
なめし後にオイルを多く含ませた革。しっとりして傷が馴染みやすく、ワイルドな経年変化を楽しめる。
ブライドルレザー
ロウを染み込ませた英国伝統の堅牢な牛革。表面に白い粉(ブルーム)が浮く。馬具由来で耐久性が高い。
プルアップレザー
オイルやワックスを多く含み、曲げると色が薄く変化する革。表情の変化が魅力。
シュリンクレザー
薬品や熱で銀面を縮ませ、細かなシボ(凹凸)を出した革。傷が目立ちにくく柔らかい。
銀付き革(ぎんつきがわ)
銀面(表面)をそのまま活かした革。革本来の表情が出る上質な仕上げ。
床革(とこがわ/スプリットレザー)
革を厚み方向に漉いた下層の革。銀面がなく強度は劣るが安価。
パテントレザー(エナメル革)
表面を樹脂でコーティングした光沢の強い革。フォーマル靴やバッグに使われる。
サドルレザー
タンニンなめしの厚く丈夫な牛革。元は馬の鞍用。ベルトや無骨な革小物の定番。
シボ
革表面の凹凸模様。天然のもの、シュリンク加工や型押しで出すものがある。傷が目立ちにくい。
革の部位
銀面(ぎんめん)
革の表側、毛が生えていた面。きめや模様が出る、革の表情を決める面。吟面とも書く。
床面(とこめん)
革の裏側、繊維がむき出しの面。起毛させればスエードになる。トコとも呼ぶ。
半裁(はんさい)
1頭分の革を背骨で左右半分に切ったもの。革を買う基本単位のひとつ。
バット
背中から尻にかけての最も繊維が詰まった上質な部位。財布や靴の表側に使われる。
ショルダー
肩の部位。繊維は詰まるが、トラ(シワ)が出やすい。味として好まれることも。
ベリー
腹の部位。繊維がゆるく伸びやすいため、目立たない部分に使われる。
ベンズ
背〜尻の最も繊維が詰まった最良部位(英国でbend)。ソールや上質なベルトに使われる。
ネック(首)
首の部位。トラ(シワ)が多く出るが、繊維は詰まっている。
ダブルショルダー
左右つながった肩の部位。大きく取れ、独特のシワ感を活かせる。
クロップ
ベリー(腹)を除いた背中側の上質な大判部位。
経年変化・キズ・特徴
経年変化(けいねんへんか)
使い込むことで色・艶・質感が変化していくこと。エイジングとも呼び、革の最大の魅力のひとつ。
エイジング
経年変化の英語表現。手の脂や紫外線で革が飴色に深まる様子を指す。
パティナ
使用とともに生まれる上品な艶・色の深まり。コードバンやカーフで特に美しく出る。
ブルーム
ブライドルレザー表面に浮く白いロウの粉。乾拭きやブラッシングで艶やかな表情に変わる。
トラ
首〜肩に出る天然のシワ。一点ものの証として味わいと捉えられることが多い。
血筋(ちすじ)
血管の跡として銀面に残る筋。天然皮革である証で、製品では避けるか個性として活かす。
バラ傷(ばらきず)
生きている間にできた虫刺されや擦り傷の痕。天然革ならではの個体差。
銀割れ(ぎんわれ)
銀面が乾燥や強い屈曲でひび割れる劣化。保湿不足で起きやすい。
水シミ(みずしみ)
水滴が乾いて輪状の跡が残ること。ヌメ革やアニリンで起きやすく、全体を均一に湿らせて目立たなくする方法も。
アタリ
よく擦れる角や縁が色濃く艶を帯びて変化すること。使い込みの味とされる。
スレ
表面の擦り傷・色落ち。顔料仕上げは補色しやすく、アニリンは目立ちやすい。
ピンホール
毛穴や小さな穴。天然皮革の証で、エキゾチックや一部の革で見られる。
色移り(いろうつり)
濃い色の革から衣類などへ染料が移る現象。新しい革や雨の日に起きやすい。
レザークラフト用語
コバ
革の裁断面(切り口)のこと。磨いたり塗料で仕上げたりして、製品の完成度を左右する。
菱目(ひしめ)
手縫いの縫い穴を開ける菱目打ちと、その穴。穴がきれいだと縫い目も美しくなる。
サドルステッチ
2本の針で1つの穴を交互に通す丈夫な手縫い技法。1か所切れてもほどけにくい。
漉き(すき)
革を薄く削いで厚みを調整する作業。折り返しや重なり部分をきれいに仕上げるために行う。
トコノール
床面・コバを磨いて毛羽立ちを抑える仕上げ剤。レザークラフトの定番。
デシ
革の面積を表す単位。1デシ=10cm×10cm=100cm²。デシ単価×デシ数で価格が決まる。
カシメ
2つのパーツを留める金具。打ち具で叩いて固定する。
ハトメ
穴の補強やひも通しに使うリング状の金具。
ホック
開閉を留めるボタン式金具。バネホック・ジャンパーホックなどがある。
ヘリ返し(へりがえし)
革の端を漉いて内側に折り返す仕立て。コバ仕上げより上品で丈夫な縁になる。
ネン引き(ねんびき)
熱したネン(工具)で縁に線を引く装飾・補強。仕立ての美しさが出る。
革包丁(かわぼうちょう)
革を裁つ・漉くための専用刃物。レザークラフトの基本道具。
お手入れ用語
デリケートクリーム
水分・油分が少なく色変化が起きにくい保湿クリーム。ヌメ革やアニリン仕上げに向く。
乳化性クリーム(にゅうかせいクリーム)
水・油・ロウを乳化させたクリーム。栄養とほどよい艶を与える、靴ケアの基本。
油性クリーム(ゆせいクリーム)
油分・ロウが多く、強い艶と防水性を出すクリーム。鏡面磨き(ハイシャイン)にも使う。
ステインリムーバー
古いクリームや汚れを落とす水性クリーナー。お手入れの下地づくりに使う。
ブラッシング
ブラシでホコリを払い、油分をなじませる基本のケア。馬毛は仕上げ、豚毛はクリーム塗布に向く。
防水スプレー(ぼうすいスプレー)
水・汚れを防ぐスプレー。フッ素系が主流。アニリンやスエードは専用品を選び、目立たない所で試す。
ミンクオイル
油分の多い保革オイル。防水・柔軟性を高めるが、ベタつきや色濃化に注意。オイルレザー向き。
シューキーパー(シューツリー)
靴の型崩れを防ぎ湿気を取る木型。革靴の寿命を延ばす必需品。
鏡面磨き(きょうめんみがき/ハイシャイン)
つま先などに油性ワックスを塗り重ね、鏡のように磨き上げる技法。
レザーオイル
革に油分を補給するオイル全般。乾いた革をしっとりさせるが、塗りすぎは禁物。
ペネトレイトブラシ
クリームを革に塗り込む小型ブラシ。指より均一に塗れる。
ラナパー
蜜ロウベースの保革・防水クリーム。多用途で革製品全般に使える定番。
該当する用語が見つかりませんでした。

辞典の使い方

検索ボックスに用語名や読み(例:「こーどばん」「なめし」)を入力すると、用語名と説明文の両方から一致する項目だけが表示されます。カテゴリーボタン(なめし/動物別/仕上げ/部位/経年変化/クラフト/お手入れ)を押せば、分野ごとに眺めることもできます。気になった言葉から、関連する用語へと辿っていくと、革の知識が体系的に身につきます。

まず押さえたい基本5用語

革製品選びでとくに役立つ5つの基本用語です。

用語ひとことで言うと
なめし皮を腐らない「革」に変える加工。タンニンとクロムが二大製法。
ヌメ革加工最小のタンニン革。育てる楽しみNo.1だがデリケート。
アニリン/顔料表面の仕上げ方。アニリン=風合い重視、顔料=丈夫で扱いやすい。
経年変化(エイジング)使うほど色艶が深まる、革最大の魅力。
コバ革の切り口。仕上げの丁寧さが製品の質を映す。

よくある質問(FAQ)

Q. スエードとヌバックの違いは?

スエードは革の裏面(床面)を起毛させたもの、ヌバックは表面(銀面)を起毛させたものです。ヌバックの方が目が詰まって上品な質感になります。

Q. 「本革」と書いてあれば良い革?

「本革=天然皮革」という意味で、合成皮革と区別する表示です。ただし革の等級や仕上げまでは分からないため、なめし・部位・仕上げを確認するのが本当の見極めです。